【徹底解説】リース会社とは?現役社員がビジネスモデルや将来性、銀行との違いを解説

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はじめに

こんにちは。大手リース会社で海外駐在員として働いているしゅーじと言います。

普段、友人や親族と会話していると「リース会社って何をしているの?」と聞かれることがよくあります。銀行のようにお金を貸すのか?それともレンタル会社のように物を貸すのか?実はその両方の性質を持ちながら、独自のビジネスモデルを展開しているのがリース会社です。

リースは基本的にBtoBのビジネスモデルなので、世間での知名度は高くありません。けど非常に面白く、可能性に満ち溢れた業界なんです。今回の記事ではリース会社のビジネスモデルや主要企業、将来性や銀行との違いについて説明します。

リース会社への投資を検討している方や、リース業界への就職・転職を検討している方のお役に立てれば幸いです。


リース業界とは?

リースとは、企業が必要とするモノや設備を購入せず、一定期間「借りる」仕組みのことです。かつてはPCやコピー機といった事務用品のリースが主流でしたが、現在では飛行機・船舶・不動産・発電設備など、大規模で専門性の高い資産までリースの対象になっています。

つまりリース会社は、企業の「資産を持たずに使いたい」というニーズを叶える存在。

私たちの日常生活でも「この家に住みたいけど買えないから、賃貸で住もう」というのは身近な選択肢ですよね。このとき、私たちは大家さんに家賃を払うことになります。まさにこれは、身近なリース取引なんです。

つまりリース会社は、ありとあらゆるモノの大家さんになり、顧客から家賃(リース料)を回収する仕事、といえばイメージが湧きやすいでしょうか。

日本の大手リース会社4社

リース会社は日本に200社以上ありますが、以下4社が業界をけん引しています。2025年3月期の有価証券報告書より、公式の事業規模や社員数・平均年収を引用してきたのでご覧ください。

会社名売上高当期純利益社員数平均年収
オリックス2兆8,748億円3,516億円33,982名約976万円
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)2兆2,091億円1,339億円4,859名約940万円
三菱HCキャピタル(MHC)2兆908億円1,351億円8,380名約1,007万円
東京センチュリー1兆3,686億円853億円8,146名約901万円

いずれも売り上げは1兆円を超えており、日本を代表する大企業と肩を並べる規模です。

純利益でもオリックスが任天堂(2,788億円)を、SMFLやMHCが日本航空(1,070億円)を、東京センチュリーがニトリ(768億円)を上回る水準です。

消費者には馴染みが薄いBtoB産業ですが、各業界のNo.1企業とも肩を並べる「隠れた巨大産業」であることが分かると思います。

業界内で「大手リース会社」といえば、上記4社にみずほリースと芙蓉総合リース、JA三井リースを加えた7社を指すことが多いです。

就職・転職を目指す方は、事業規模が大きく給与水準も高い、大手7社への入社にチャレンジすることをおすすめします。


リース会社のビジネスモデル

リース会社は「ありとあらゆるものの大家さんである」と先ほどお伝えしましたが、主要事業を3つに分けてもう少し深堀していきたいと思います。

ファイナンスリース

リース会社が顧客の欲しい設備を代わりに購入し、5~12年などの長期にわたってリース料を回収する仕組みがファイナンスリースです。リース会社は設備の選定に携わらず、リース物件は「顧客のリクエスト」によって決まるのが特徴です。

案件事例

ある筆記具メーカーA社にて、新製品が大ヒットしました。社長は新製品の製造を早めるため、工場の製造ラインを増設したいと考えています。追加設備には1億円必要ですが、A社の手元にはそんなお金ありません。

銀行からは「新製品の人気がいつまで続くのかわからないので、1億円は貸せない」と融資を断られてしまいました。

そんなときに登場するのがリース会社。リース会社は潤沢な資金力を武器に1億円の設備を代理購入し、A社とリース契約を締結。A社は毎月のリース料を支払いながら製造ラインを使用し、新製品の更なるヒットによる事業拡大に成功。

リース期間が満了したときは、A社は製造ラインを買い取ることもできますし、リース会社に返却(手放す)ことも可能です。銀行ではカバーできない資金ニーズを補うのがリース会社の強みです。

オペレーティングリース

飛行機や船舶・車など、中古市場でも高値で売れる資産の「残価(将来の価値)」を考慮したリースです。ファイナンスリースと異なり、リース会社が物件選定・価値鑑定に関与することで、安いリース料・短いリース期間を顧客に提供できます。

リース会社はリース期間中に受け取るリース料と、リース終了後の延長リース料、さらに中古売却時の収益を総合的に予測しながら、案件をマネージしていきます。

案件イメージ

ある建設会社B社は、都心の大規模ビル建築プロジェクトを受注。ただこのビルを建てるには、巨大クレーン車が必要になります。このビルの建築は3年間続きますが、それ以降はクレーン車を使う予定がなく、B社はクレーン購入に踏み切れません。

そんなときに登場するのがリース会社。このクレーン車は需要が強く、中古市場でも高く売れることを見越したリース会社は、すぐに物件を購入。B社と3年間のオペレーティングリースを締結しました。B社は割安なリース料でクレーン車を使うことに成功。リース会社はリース終了後、クレーン車を中古市場で売却することで、大きな収益を上げることができました。

オペレーティングリースは割安なリース料・比較的短いリース期間がカギとなりますので、物件の残価判断が肝となります。まさにリース会社の手腕が問われるところです。

具体的な案件事例

先日、三菱HCキャピタルが子会社を通じて航空機エンジン50基の発注をリリースしていましたが、これは典型的なオペレーティングリースビジネスです。

ときには顧客(借り手)が決まっていなくても、価値ある物件を先行発注するのがオペレーティングリースの面白いところ。

これから彼らはエンジン50基の貸し先(航空会社等)を熱心に探し、リース料収入&延長リース料&売却収入を緻密に予測しながら利益を生み出していくことになります。

事業投資・M&A

近年の大手リース会社は「金融+事業」のハイブリッド企業へ進化しています。これにより事業規模・収益規模は急拡大しています。

例えば再生可能エネルギーはその傾向が強い分野です。

案件イメージ

風力発電設備

  • 発電所の運営
  • 航空機リース事業の合弁
  • 不動産開発
  • IT関連企業への投資

単なる貸し出しにとどまらず、事業そのものを運営・投資して収益を多角化しています。これが銀行やレンタル会社にはない特徴です。

具体的な案件事例


銀行との違いは?

リース会社と銀行は一見似ていますが、本質的には異なります。

銀行

  • お金そのものを貸す
  • 金利収入が中心
  • 与信審査は厳格

リース会社

  • モノを購入して貸す
  • リース料(元本+利息+手数料)が収入
  • 物的担保や残価設定を活用

つまり銀行が「お金の専門家」であるのに対し、リース会社は「モノと資金調達の専門家」。銀行が融資を断るような案件でも、リース会社はモノの価値をベースに判断して支援できるのです。


リース業界の将来性

リース業界は「古い業界」と思われがちですが、むしろ今後成長が期待される分野を多く抱えています。

環境・エネルギー分野

太陽光や風力発電など、再生可能エネルギー事業への投資・リースは急拡大しています。SDGsや脱炭素の流れに乗り、今後も需要は増えるでしょう。

モビリティ分野

EV(電気自動車)やシェアリングサービスなど、新しいモビリティの普及には「買わずに使う」モデルが不可欠。リース会社はその仕組みを支える立場にあります。

海外展開

特にアジアでは航空機・船舶・インフラ需要が旺盛。日本の大手リース会社は国際競争力を強め、グローバル企業として存在感を高めています。

デジタル分野

IT機器リースだけでなく、クラウドサービスやデータセンター投資など、デジタル社会を支える分野にも積極参入。これにより金融とテクノロジーを掛け合わせた新しいビジネスが広がっています。


リース会社で働く魅力

一般的に「リース会社はホワイトで高年収」と言われますが、それには理由があります。

  • 巨大な資産を動かすダイナミックさ
  • 銀行や商社に匹敵するスケール感
  • 海外案件の多さからグローバルに活躍できる
  • 金融×事業というハイブリッドキャリア

実際、平均年収も他の金融業界に比べて高水準。社員数は数千人規模と少数精鋭で、若手から大きな裁量を持てるのも魅力です。


まとめ

リース会社は「モノを貸す」だけではなく、資金調達・残価管理・事業投資を組み合わせた独自のビジネスモデルを持つ金融業界の一角です。銀行と似ているようで違いがあり、高い収益性を兼ね備えたビジネスでもあります。

再生可能エネルギーやデジタルインフラといった成長分野に積極的に投資していることから、将来性も非常に高い業界と言えるでしょう。

もしあなたが「金融に興味はあるけど銀行以外の選択肢を探したい」と思うなら、リース業界は知っておいて損のない存在です。これからも伸び続けるであろうリース会社の動きに注目してみてください。

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