はじめに:TOEICは意味があるのか
こんにちは、しゅーじです。
私はこれといった取り柄のない凡人会社員でしたが、25歳のときに突然イギリス駐在を命じられ、現在ロンドンで働いています。
海外経験の乏しい私が駐在員に選ばれた理由のひとつはシンプル。
『TOEICのスコアが高かったから』です。学生時代からコツコツ勉強し、TOEIC910点を取得していたことが夢の駐在員生活につながりました。
一方で駐在生活を始めてからは、自らの英会話力の低さに苦しみ、何度も心が折れそうになったのも事実。
駐在を経験して強く感じたのは「TOEICのスコアが人生に役立つ人もいれば、取得しても意味がない人もいる」ということ。
この記事では、TOEICの勉強が無駄になるケース、逆にキャリアを変える力を持つケースを具体的に解説していきます。
TOEICを取っても意味がない人
外国の友人や恋人を作りたい人
「海外の友達が欲しい」「外国人の彼氏・彼女を作りたい」——それをゴールとするなら、正直言ってTOEICは遠回りです。
ロンドンに住んでいて実感しますが、TOEICのスコアが低くても、国際的な友達をどんどん作っている人はたくさんいます。一方でTOEIC900点以上を取っていても、友達作りや人脈作りに苦戦している日本人は多いです。
海外でのコミュニケーションに必要なのはテストの点数ではなく、勇気と会話の場数です。
そのためにはTOEICに注力するよりも、以下のような取組に注力するほうがが効果的です。
- 国際交流イベント:例)Meetup、InterNations
- オンライン英会話:例)Cambly、ネイティブキャンプ
こういった実践重視の学習を続ければ、最短で「話す英語力」を伸ばすことができます。
反復学習が苦手な人
次にTOEICの勉強をお勧めしないのは、反復学習が苦手な人です。
TOEICは出題パターンが決まっており、限られた単語や表現を繰り返し覚えていく試験です。
新しい知識をどんどん取り入れたい人にとっては単調に感じ、勉強が続きません。
逆に言えば、英語力がゼロに近い人でも「反復」ができれば必ず点数は伸びます。ある意味でTOEICは、努力が数字に直結する「ゲーム的な試験」と言えるでしょう。
コツコツ努力し、少しずつレベルが上がっていく感覚を楽しめるか?というポイントはTOEIC学習のカギになります。
逆にこれができない人は、書籍代や時間を無駄にしないため、他の自己研鑽に時間を使うほうがいいでしょう。
映画やアニメ・音楽を英語で楽しみたい人
先ほどお伝えしたように、私はTOEIC910点を持っています。ですが正直に言って映画やアニメを字幕無しで理解するのは無理、洋楽の歌詞もほとんど聞き取れません。
理由はいくつかあると思いますが、TOEICと日常生活では使用する単語の種類が全然違うこと、会話のスピードや崩し方が大きく違うこと、などが大きな要因だと思います。
イギリスに住んで3年以上が経ち、多少は改善しましたが、やはりビジネス英語と日常生活の英語は、『もはや別の言語』だと感じています。
エンタメを英語で楽しむことをゴールにするのであれば、海外ドラマを通じた英語学習や、留学経験がカギになってくるでしょう。
ここまで聞くと「TOEICってやっぱり意味ないじゃん」と感じるかもしれません。でも以下に挙げるTOEICの強みも、是非読んでみてください。
TOEICを高めるべき人
リーディング力を効率的に伸ばしたい人
TOEICのリスニング問題は実際の英会話と比べると不自然で、会話力アップには直結しません。
しかしリーディング問題は、ビジネスメールや新聞記事(例:Financial Times)の内容に近く、現実のビジネスシーンに直結します。
- 文書読解力
- 図表の読み取り力(Excelなど)
- 速読力
これらを効率的に鍛えるには、TOEICが最も近道です。私は仕事で英語を使い始めてから、「あ、これTOEICで勉強した単語・文法だ」と思ったことが数えきれないほどあります。
TOEICを極めれば、英語が話せなかったとしてもリーディングスキルが飛躍的に高まることはお約束します。仕事で英文を読む機会がある方、英語の新聞やネット記事から情報収集をしたい方にとっては、TOEIC対策は効率的な学習方法です。
就職・転職を有利にしたい人
日本国内の企業調査では、「企業が求める資格・スキル」の上位に常にTOEICが入っています。
- 企業人事がチェックする指標であること
- 「英語力の証明」として日本で一番浸透していること
- 700点以上で「英語ができそう」という好印象を与えること
これらはTOEICを学ぶ最も大きな理由だと思います。
特に日本の人口はこれからの30年で、2000万人以上減少するといわれています。
一方で世界の人口はこれからの30年で15-20億人ほど増加する見込み。
こんな環境で国内ビジネスにこだわるのは、かなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。海外人材の需要は今後増える一方で、TOEICのスコアを示して「グローバル人材予備軍」になることはかなり有効な戦略であることがわかると思います。。
最近は大手企業でも「海外経験」「英語力」を持つ人材を経営層に登用する動きが目立っています。英語力はキャリアの必須条件になりつつあるのです。
海外駐在を目指す人
私は留学経験のない凡人でしたが、TOEICの勉強を続けてスコアを積み上げた結果、26歳でイギリス駐在のチャンスを掴むことができました。
- 駐在前:TOEIC 910点
- 渡英後:日常生活レベルの会話は1年で習得
- 結果:スピーキングやリスニング力も実務を通じて伸びた
大事なのは「TOEICができたから英語が話せる」ではなく、TOEICがあったから大きなキャリアのチャンスを掴めたという点です。
スピーキングやリスニングは駐在後に鍛えればよく、まずは「切符」としてTOEICを利用するのが現実的な戦略です。
まとめ:TOEICは無駄ではない
TOEICは「英語力そのもの」を証明する試験ではありません。
しかし、就職・転職・海外駐在といったキャリアに直結する武器になるのは間違いありません。
- 意味がない人:友達作りが目的、反復が苦手、現状満足
- 意味がある人:リーディング強化、就職・転職、海外駐在
凡人でも、TOEICを武器にすれば海外で働くチャンスを掴めます。
英語を学ぶ方向性に迷っている人は、まずは自分の目的を整理し、TOEICが本当に必要かを判断してください。
そして「キャリアを切り開きたい」と思う人には、TOEICほどコスパの良い投資はありません。


