こんにちは、英国駐在員のしゅーじです。
先日『映画 ウィキッド』の後編、Wicked For Good(邦題:ウィキッド 永遠の約束)を鑑賞してきました。
日本での公開は2026年3月6日予定。今回はロンドン在住の利点を活かし、現地で一足先に映画館で観ることができました。
本作はブロードウェイミュージカルとして20年以上愛されてきた『ウィキッド』の映画版完結編。前編の「ウィキッド ふたりの魔女」は世界的にも高い評価を受け、アカデミー賞でも10部門にノミネート、衣装デザイン賞と美術賞の2部門で最優秀賞複数部門するなど、圧倒的な存在感を示しました。
待望の続編である本作は「後編だからこそ描ける深み」と「物語全体を回収する役割」がガッチリと嚙み合っており、素晴らしい出来上がりでした。ここからはあらすじと感想です。
あらすじ(若干ネタバレあり)
物語は、オズの国で「悪い魔女」として街を追われる存在となったエルファバと、体制側に残り「善い魔女」として生きるグリンダのその後を描きます。
2025年に公開されたPart 1(ウィキッド 二人の魔女)では、
- 出会いと友情
- 若さゆえの理想
- 世界の歪みに気づき始める過程
が描かれていましたが、Part 2ではその続きとして、世界の真実に気づいてしまった二人が、どんな選択を迫られるのかが容赦なく突きつけられます。
「西の悪い魔女」として指名手配のような扱いを受けるエルファバは、動物差別を行うオズ陣営によって悪評を広められ、追われる身として各地を転々とします。
一方、かつて親友だったグリンダは街に残り、「善い魔女」として民衆の象徴となる役割を引き受けていた。正しさを貫くことで孤独を深めるエルファバと、世界を安定させるため・自らの身を守るために「善い魔女」を必死に演じるグリンダ。
二人は確かに深い友情で結ばれていました。しかし、価値観と立場の違いによって、同じ未来を選ぶことはできませんでした。
エルファバとの友情を心に抱き続けていたグリンダですが、婚約者であり愛する「フィエロ」がエルファバを愛していることを知り、徐々にエルファバを憎む気持ちが生まれます。
友情・憎しみ・恐怖など様々な感情に揺り動かされるグリンダの取る行動は、彼女たちの運命を大きく変えてきます。そして最後には、驚きと感動のクライマックスが待っています。
名曲 “For Good” は、「もう戻れない」ことを受け入れたうえで、それでも互いの存在が人生を変えた事実だけを肯定する、静かで残酷な別れの歌として描かれます。
観客の心を揺り動かす豪華キャストたち
主演二人の演技力と歌唱力はPart 1で既に証明済みですが、今作でもやはり圧巻でした。
Part 1では Popular に代表されるような、カジュアルさやコメディ感が強かったのに対し、今作はより内省的で、観る側に考えさせる構成になっています。
胸がグッと苦しくなるシーンも多く、
- エルファバとグリンダがそれぞれ想いを寄せるフィエロ
- 中盤で衝撃的な変化を遂げるボック
この二人の描かれ方には何度も心を揺さぶられました。
また本作では、
- エルファバの魔力の正体
- なぜ彼女だけが異質な存在だったのか
- Part 1冒頭のあのシーンに至るまでの背景
といった伏線回収が非常に丁寧に描かれています。「なるほど、だからあの冒頭につながるのか」と腑に落ちる場面が多く、シリーズ全体を通しての満足度はかなり高いと感じました。
何度も観たくなるのは前編ですが、心に深く刻まれるのは後編という絶妙なバランスです。
何よりグリンダの愛嬌と圧倒的な歌唱力にすっかり魅了され、気づけばアリアナ・グランデのファンになってしまいました。
社会人の生存戦略と重ねてしまった理由
『Wicked: For Good』を観ながら、どうしても私は大企業で働く社会人の出世構造を重ねて考えてしまいました。
エルファバはロジックも正義も持っている。私にはそれが間違っているものには見えませんでした。しかし、それを貫くことで組織から「危険な存在」や「扱いずらい人」と見なされ、排除されていく。
一方グリンダは、必ずしも間違ったことをしているわけではないですが、組織を壊さない選択、空気を読む、時には自分を守るため選択を積み重ね、オズが率いる体制側に残る選択をしました。
これは多くのサラリーマンが直面する分岐点そのものだと思います。自らの想う「正しさ」を貫けば孤立し、上司や大多数に迎合すれば昇進する可能性が高まる。どちらが正解かではなく、どちらの痛みを引き受けるかの問題。
“For Good” が刺さるのは、二人がどちらも間違っていないことを、観客が理解してしまうからです。かつて同じ理想を語った相手と、もう同じ場所には立てない。
それでも、その出会いが人生を変えた事実だけは消えない。
この切なさと現実感こそが、社会人になった今の自分に深く突き刺さった理由だと思います。
英語学習の観点から見た『Wicked』の魅力
このブログは普段、英語学習やキャリアについて発信しています。
ロンドンで本作を鑑賞して改めて感じたのが、『ウィキッド』は英語版で見ると最も楽しめる作品だということです。
出てくるボキャブラリは決して難解ではなく、感情・人間関係・立場の違いがストレートな英語で表現されています。字幕に頼らなくても、キャストの表情や文脈で意味が伝わる場面が多く、「英語がわかるからこそ刺さるセリフ」も数え切れません。
英語学習というと、参考書やアプリばかりに目が行きがちですが、こうした一流のエンタメを原語で味わえるようになること自体が、大きなモチベーションになります。
実際、
- 洋画やミュージカルを英語で理解できるようになりたい
- 海外駐在やグローバル環境で自然な英語を使いたい
そう思って英語学習を始めた社会人は少なくありません。
もし、「どうせ勉強するなら、こういう作品を100%楽しめる英語力を身につけたい」
と思った方は、オンライン英会話や英語学習アプリから始めてみるのも一つの選択肢です。
エルファバとグリンダの物語がそうであるように、言葉を理解できる世界は、確実に人生の選択肢を増やしてくれます。

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