はじめに
こんにちは。ロンドン駐在員のしゅーじです。
私は25歳でロンドン駐在を命じられました。若手で駐在に行くと「すごいね」「順調なキャリアだね」と言われますが、同じ「駐在」でも20代と30代では意味合いが大きく異なります。
20代は「経験を積む場」として、30代は「成果を求められる試験の場」として派遣されるのが一般的です。
この記事では、私自身の体験と先輩方へのヒアリングをもとに、20代駐在と30代駐在のメリット・デメリットを徹底比較します。これから駐在を目指す方に、リアルな判断材料を届けられればと思います。
20代駐在のリアル
位置づけは「研修生」
20代で駐在するケースは、多くの場合「研修生(トレーニー)」としての意味合いが強いです。
- 派遣期間:2〜3年と期間が決まっていることが多い
- 役割:責任よりも経験を重視。補助的な業務や調整が中心
- 評価:失敗してもリカバリーが効きやすい
つまり20代駐在は「経験値を積ませるプログラム」であり、本人にとってもキャリアの第一歩として扱われることが多いです。
よかったこと(メリット)
- 人脈が広がる
各業界から派遣された優秀な若手と知り合える。将来の幹部候補と「同期」のような関係を築けるのは財産です。 - 出世コースに乗りやすい
若手で海外に出されるのは会社からの期待の証。経営陣に「伸ばす価値がある」と思われやすい。 - 転職市場で評価されやすい
「20代で海外経験あり」というだけで市場価値が高まる。外資系やコンサルに“リベンジ転職”する人もいます。
良くなかったこと(デメリット)
- プライベートが制約される
独身駐在が多いため、週末や夜は会社仲間との予定で埋まりやすい。自分の時間を確保しにくい。 - 役員対応に振り回される
出張に来る役員のアテンドを任され、会食の手配や送迎で奔走することも。 - 孤独感が強い
最初は友人も少なく孤独。仲間ができても2〜3年で帰国してしまい、「またお別れ」という経験が続くのは精神的にきつい。
30代駐在のリアル
位置づけは「試験の場」
30代での駐在は、20代とはまったく違います。
- 役割:現地法人や海外子会社の責任者候補
- 会社の意図:「幹部に育てたい」という明確な期待
- 評価:成果が昇進に直結する“試験”
20代が「育成枠」なら、30代は「選抜枠」。成果がそのままキャリアに跳ね返ってきます。
よかったこと(メリット)
- 裁量が大きい
数十人規模の部下を持ち、億単位の案件を任される。日本ではできないスケールの仕事が経験できる。 - 給与・待遇が向上
年収は国内勤務の1.5倍以上になるケースも。家賃や子どもの教育費も補助され、生活レベルが一気に上がる。 - 家族にとっても貴重な経験
子どもがインターナショナルスクールに通えたり、配偶者が現地でキャリアを築いたり。家族全員の人生が豊かになる。
良くなかったこと(デメリット)
- 家族の適応リスク
配偶者が孤独になったり、子どもが学校に馴染めなかったり。家庭が崩れるリスクもある。 - 成果を求められるプレッシャー
幹部候補だからこそ、成果が出なければ評価は急落。実際に案件をまとめられず昇進ルートから外れた先輩もいました。 - 精神的な孤独
家族を連れて行っても適応できなければ家庭がギスギス。単身赴任ならなおさら孤独。20代の孤独とは違い、責任の重さが加わります。
| 項目 | 20代駐在(トレーニー) | 30代駐在(試験の場) |
|---|---|---|
| 役割の位置づけ | 育成プログラム・経験重視 | 幹部候補・成果重視 |
| 責任の重さ | 軽め(補助・調整が中心) | 重い(現地法人や案件の責任者) |
| 期間 | 2〜3年が一般的 | 3〜5年が多い |
| 人脈形成 | 同世代の優秀な仲間とつながる | 現地幹部や経営層と接点を持てる |
| 給与・待遇 | 国内比+駐在手当 | 国内比1.5倍以上+家族補助 |
| 評価 | 経験自体が評価対象 | 成果がダイレクトに評価対象 |
| プライベート | 制約多め(仲間中心の生活) | 家族との時間が大きなテーマ |
| 孤独感 | 友人との別れで孤独 | 責任や家族の問題で孤独 |
転職市場における評価の違い
- 20代駐在
「経験」そのものが評価対象。TOEICや英語力+駐在経験で、外資やコンサルに転職する人が多いです。 - 30代駐在
「成果」が必須。海外で数字を残していれば、商社・銀行・コンサルから高待遇のオファーが来ます。逆に成果が曖昧だと評価が伸びません。
👉 20代は“経験の駐在”/30代は“成果の駐在”。転職市場でも、この差は明確に意識されています。
まとめ|20代はチャンス、30代は勝負所
- 20代駐在は「成長の場」
→ トレーニーとして経験を積み、人脈を作り、市場価値を上げる。 - 30代駐在は「試験の場」
→ 幹部候補として成果を求められ、家族も含めて人生を背負う。
どちらにも大きな価値がありますが、意味合いは大きく異なります。大切なのは「自分の年齢に応じた立ち回り方」を理解することです。
もし駐在のチャンスが巡ってきたなら、恐れず挑戦することをおすすめします。20代でも30代でも、海外での経験は必ずキャリアの糧になります。そして、その経験はあなたの未来を大きく広げるはずです。

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