駐在前に感じる不安と疑問
「駐在が決まったけれど、何を準備すればいいの?」
「英語の勉強はどこまで必要?」
「限られた時間をどう使えば後悔しない?」
海外駐在が決まると、嬉しさと同時に大きな不安が押し寄せます。私自身、26歳でロンドン駐在を経験しました。夢だった海外勤務を叶えた瞬間は誇らしかったものの、現地生活が始まると「もっとこうしておけば良かった…」と悔やむことも多くありました。
その中で「これはやっておいて本当に良かった!」と強く思えた準備が5つあります。
この記事では、その具体的な内容と実体験から得た学びをお伝えします。駐在を控えている方が、効率よく準備を進められるように参考になれば幸いです。
鉄板自己紹介ネタ3パターンを準備する
自己紹介は信頼構築の第一歩
駐在生活のスタートで必ず直面するのが「自己紹介」です。職場の上司・同僚との顔合わせ、取引先との会食、さらにプライベートの交流会まで、自己紹介なしでは始まりません。
私も駐在当初は自己紹介で言葉に詰まり、場の空気を重くしてしまった経験があります。しかし、あらかじめ3パターンを準備しておくだけで、第一印象は大きく好転しました。
用意すべき3つの自己紹介
- 職場用
これまでの業務経験や専門分野を簡潔にまとめる。海外では「あなたは何ができる人か」を明確に伝えることが重要です。 - プライベート用
趣味や出身地など、相手が共感しやすい話題を盛り込む。「趣味はランニングで、ロンドンの公園を走るのが楽しみです」といった一言は会話を広げやすくなります。 - くすっと笑える用
軽い失敗談や流行のネタを交えれば、場の緊張が和らぎます。ユーモアは国境を越える共通言語です。
第一印象がもたらす効果
現地の人からすると「日本から来た新しい駐在員はどんな人だろう?」と不安を抱いています。そんなときに笑顔でスラスラ自己紹介できれば、信頼感と安心感が一気に高まります。駐在生活の最初の壁を越えるための最強の準備です。
駐在国の文化・歴史を学んでおく
相手国への理解は信頼につながる
もし日本に来た外国人が、日本の歴史や文化について楽しそうに話していたら、私たちも嬉しくなりますよね。同じことが駐在先でも起こります。現地の文化や歴史を理解していると、それだけで会話のきっかけになり、信頼を得やすくなるのです。
私がイギリス駐在前に実践したこと
- 英国史の入門書を読む
- シャーロック・ホームズのドラマを観る
- 子ども向け映画『パディントン』を鑑賞
ある日、同僚に「パディントンの最新作観た?」と話しかけたら「かわいいの観てるね」と笑われましたが、そこから会話が広がり、距離が縮まりました。
学んでおくメリット
- 会話の引き出しが増え、雑談に困らない
- 現地の人に「あなたたちの文化や価値観を尊重している」ことが伝えられる
- 日々の生活と知識をリンクさせることで、より地域に詳しくなれる
難しい学問的知識は不要です。ガイドブック、映画、音楽など、自分が楽しめる形で触れておくだけでも十分効果があります。
オンライン英会話で「口慣らし」する
駐在直前に必要なのは「慣れ」
駐在前の数ヶ月で英語力を飛躍的に伸ばすのは現実的ではありません。それよりも重要なのは口と耳を慣らすことです。
私が実践して良かったのは、オンライン英会話を毎日20分続けることでした。対面スクールよりも手軽で、忙しい準備期間でも無理なく継続できます。
口慣らしがもたらす効果
- 心理的効果:英語を話すことへの抵抗が薄れる
- 身体的効果:口の筋肉が鍛えられ、発音がスムーズになる
私は「ビズメイツ」を利用しました。講師はフィリピン人が多く、明るく親しみやすい方ばかりで、緊張せず続けられました。大事なのは完璧な英語を目指すことではなく、毎日声に出す習慣を作ること。これが渡航後の即戦力につながります。
スマホを楽天モバイルに切り替えておく
海外に出てからは多くの人が現地の携帯電話(SIM)を契約しますが(もちろん私もそうしました)、同時に「日本の電話番号を維持しておいて本当に良かった」と何度も思いました。
銀行やクレジットカード、マイナンバー関連など、多くの日本のサービスはSMS認証を前提にしており、これが使えないと手続きが一気に不便になります。楽天モバイルなら、その日本番号を維持したまま海外ローミングが月2GBまで無料で使えるので、到着直後からLINEやGoogleマップも問題なく使えました。
現地のSIMをメインで使う場合でも、日本の番号を残せるというのは大きな安心感です。また、アプリで料金確認やプラン変更が完結するため、日本にいなくても管理が非常にラク。海外赴任や留学前に切り替えておくと、現地での通信トラブルや想定外の出費を避けられます。
渡航準備リストの中でも、これは“事前対応しておいて本当に助かった”と感じる項目です。
Kindleを買っておく
海外で暮らし始めてまず感じたのは、日本語の本がほとんど手に入らないという現実。最初のうちは英語の本や現地メディアを楽しんでいましたが、忙しい日々の中でふと「日本語の小説が読みたい」と恋しくなる瞬間が訪れます。
そんなときに大活躍したのがKindleです。Wi-Fiさえあれば数秒で日本語の本をダウンロードでき、世界のどこにいても好きな本を読めるのは本当にありがたい。特に週末や移動中、心を落ち着けたいときにKindleがあると、言葉のぬくもりを取り戻すような安心感があります。
さらに、紙の本と違って荷物にならず、軽くてバッテリーも長持ち。自己投資の面でも、読みたい本をすぐ手に入れられることで、学びや成長のリズムを止めずに済みます。もちろん英語学習にも大活躍します。海外生活では「心の支え」と「知的な武器」、その両方を兼ね備えたアイテムです。
Kindleは本当におすすめなので、こちらの記事でもう少し深堀して紹介しています。
駐在前に「やらなくて良かったこと」3つ
本格的な英語学習
短期間で大幅にレベルを上げるのは難しく、貴重な駐在前の時間を使うのは非効率的です。現地に行けば語学力や嫌でも向上するもの。
最低限の自己紹介練習や口慣らしなど、効率的な準備にリソースを集中させ、残りは大切な人との時間を優先する方が得策です。
自己啓発本の読み漁り
自己啓発本は一時的なモチベーションにはなりますが、駐在準備に直結するわけではありません。やるべきことはすでに明確なので、行動に時間を割きましょう。
貯金や資産運用に集中すること
駐在中は住宅補助や手当があり、自然と貯金が増えます。渡航前に無理に貯金するよりも、自己投資や家族・友人との時間にお金を使う方が有意義です。また資産運用は勤務先の規定で制限される場合もあるため、出発前に焦って始めるのは得策ではありません。
まとめ:駐在前の準備は「効率」と「実用性」がカギ
駐在前にやって良かった準備を振り返ると、次の3つに集約されます。
- 自己紹介ネタを3パターン用意する
- 駐在国の文化や歴史を学んでおく
- オンライン英会話で口慣らしをする
これらは短期間でも実践でき、渡航後すぐに役立ちます。反対に、本格的な英語学習や過度な貯金に力を入れるよりも、効率よくスキルを磨き、心の余裕を持って出発することが成功への近道です。
駐在はキャリアを大きく飛躍させるチャンスであり、人生の貴重な挑戦です。準備の仕方ひとつで、その後の生活の充実度が大きく変わります。ぜひこの記事を参考に、あなたの駐在準備を効率的に進め、最高のスタートを切ってください。


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